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親子三代で訪れる宿


赤穂ホテル祥吉から見た眺め
赤穂ホテル祥吉から見た眺め

親子三代で毎年同じ宿を使い続ける理由は、単なる「便利さ」や「価格」だけではありません。そこには、長い時間をかけて積み重ねられた安心感と記憶の共有があります。


まず一つ目は、世代を超えて安心できる居心地の良さです。祖父母にとっては段差が少く、静かで落ち着いた空間。親世代にとっては気配りの行き届いたサービスや食事の質。子ども世代にとっては「また帰ってきた」と感じられる親しみやすさ。そのすべてを受け止めてくれる宿は、そう多くありません。一度「ここなら大丈夫」と感じると、その信頼は簡単には揺らぎません。


二つ目は、宿そのものが家族の思い出の舞台になっていることです。同じロビー、同じ部屋、同じ景色の中で、毎年少しずつ家族の形が変わっていく。子どもが成長し、祖父母の歩みがゆっくりになる。その変化を静かに見守ってくれる場所だからこそ、「また今年もここに来よう」と自然に思えるのです。


三つ目は、宿側との人間関係です。顔を覚えてくれるスタッフ、「今年もお帰りなさい」という一言、好みを理解した対応。これは大型施設や新しい宿では得がたい価値です。旅先でありながら、どこか“帰省”に近い感覚を与えてくれます。


つまり、その宿を使い続ける理由は、便利だからではなく、家族の歴史を預けられる場所だから。親子三代が同じ宿を選ぶという行為そのものが、家族の絆を確かめる年中行事になっているのです。

 
 
 

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